さかなクンの自伝を原作として、のんさんが主人公のミー坊を演じる映画『さかなのこ』。
女性がさかなクンを演じるのは不思議な気がしますが、まったくのはまり役。とても素敵に演じています。この映画の魅力やロケ地について、まとめてみました。
『さかなのこ』ストーリー
お魚が大好きな小学生・ミー坊は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、信じて応援し続ける母親に背中を押されながらミー坊はのびのびと大きくなった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、まるで何かの主人公のようにいつの間にかみんなの中心にいたが、卒業後は、お魚の仕事をしたくてもなかなかうまくいかず悩んでいた…。そんな時もお魚への「好き」を貫き続けるミー坊は、たくさんの出会いと優しさに導かれ、ミー坊だけの道へ飛び込んでゆく。
（映画「さかなのこ」公式サイトより）
のんさんのさかなクン
主人公のミー坊を演じるのは、のんさん。
とてもはまり役です。さかなクンのおさかな大好きで真っすぐな生き方は、彼女にしか演じられないのではないでしょうか。
高校時代のヤンキーたちとの交流や、喧嘩をけむに巻くシーンなど最高に面白いです。また、夏帆さん演じるモモコとの会話などでは、友達として話しているのか、男女関係を描いているのか、ミー坊が男なのか女なのか、よく分からなくなってしまいます。男でも女でも構わない、すべて超越したミー坊を見事に演じています。お魚と絵を描くことだけに夢中になり、仕事はまるでうまくいかない姿も、さかなクンの人生を悲喜こもごもに描いていて感情移入させられます。この空気感を出せるのが、のんさんの魅力なのでしょう。
キャストが皆、いいです！
小学校以来の友人ヒヨを演じたのは柳楽優弥さん。ヤンキーをしていながら、ミー坊を心配するやさしい友達を演じて、とてもいい味を出していました。
高校時代の友達で、ヤンキーの総長を演じる磯村優斗さんがまたいい。この方は軽い役からシリアスな役まで何でもうまいですが、こうした不良高校生を演じると天下一品。また、喧嘩が強い総長がミー坊との交流で優しい気持ちを出すのが可愛らしい。
小学校からの友達モモコを演じた夏帆さんは、夜のお店で働いている時にミー坊と会って舌打ち。水商売で働く姿を見せたくないという気持ちと、その後にミー坊に頼る姿の2面性を出すのも、夏帆さんらしいキャラクターかもしれません。
ミー坊のお母さんを演じた井川遥さんがまたとても良い。高校の担任の先生との面談で「この子は勉強が出来なくてもいいんです」という台詞がすらっと出てくる母の芯の強さ、愛情。この優しく強い母親には誰もが憧れるのではないでしょうか。
ミー坊の幼少期を演じた西村瑞季さんもうまかったですね。さかなクンの幼少期は、このように天衣無縫に過ごしてきたんだろうなと思わせて、とても微笑ましく見られました。
さかなクンも登場していたのはご愛嬌か。演技はまったく見ていられないが、その存在だけでとても嬉しくなってしまう存在です。
その他、この映画に登場する人物に悪い人はいません。ミー坊がどんなに勉強できなくても、魚の絵ばかり描いていても、仕事で失敗ばかりしていても、温かく接してくれます。また、そのように人を引き付けるのがミー坊の魅力であり、私たち観客も優しい気持ちになれるのでしょう。
ロケ地はどこ？
さかなクンの生い立ちを描くのですから、出身地が気になります。
東京都葛飾区に生まれ、神奈川県の綾瀬市で育ち、現在は千葉県尾館山市に住んでいます。
幼少期から中高校時代まで綾瀬市で過ごされています。原作の自伝では、お魚好きだったので近くの魚屋さんや飲食店、水族館などに毎週のように行って魚を眺め、絵を描いていました、また、海にも釣りによく行っていたようです。子供時代にタコを獲ったのも実話らしいです。
ロケは海とか、学校、水族館などで多く行われています。
いろいろと情報を見てみますと、主な撮影地は静岡県沼津市、神奈川県綾瀬市、千葉県館山市で主に行われていたようです。
沼津市では、狩野川河川敷、多比港、アパート、島郷海岸、ブルーコーナー、あわしまマリンパーク、旧静浦中学校で行われたようです。あわしまマリンパークでは、水族館での仕事時代の失敗の数々をユーモラスに描かれていました。子供時代にタコを捕まえたシーンは島郷海岸か。遠浅の波の少ない海岸のようですので、撮影にぴったりだったかもしれません。
さかなクンが育った綾瀬市では、出身校の北の台小学校、北の台中学校で行われたようです。自分の出身校での撮影ですから、学校側も喜んで撮影に協力したことでしょう。
現在、さかなクンが住んでいる館山市でも多くの撮影が行われたようです。
千葉県フィルムコミッションが発行しているロケ地マップに、ロケについていろいろと書かれています。映画の冒頭で、朝いちばんで漁船に乗り込むために坂道を降りていくシーンは館山市の布良漁港付近。ミー坊やヤンキーたちが海岸沿いの道で競争しているシーンは漁港食堂「だいぼ」前の道。ヤンキーとの大乱闘シーンや、のんさんがイカを捕まえるシーンは布良漁港で、とても愉快なシーンが撮影されています。
その他、千葉県では南房総市の根本海水浴場や、鴨川シーワールド、チバテレで撮影されたようです。
まとめ
映画「さかなのこ」はのんさんでなければ演じなれなかったと思わせる、さかなクンの人生を楽しく描かれています。
随所に笑わせてくれるシーンがあり、お母さんや友達の応援に励まされていく姿には、ほろりとさせられます。
キャストが皆いい味を出しながら、素敵なロケシーンがを味わえる、とても心を豊かにしてくれて、何度も観たくなる映画です。
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