「ヒル」は他人に寄生して生きる不法滞在者ヒルたちの運命と、格差社会の闇を描く社会派復讐サスペンスドラマです。Season1主演が赤楚衛二さん、Season2主演が坂口健太郎さん。WOWOWが人気漫画を連続ドラマ化しました。その魅力について考えてみました。
ドラマ「ヒル」のあらすじ
バイト漬けの孤独な日々を過ごしている２１歳の四宮勇気（赤楚衛二さん）が、ある日、いつものように夜勤バイトから帰ると、部屋には腹部をナイフで刺された見知らぬ男（柳俊太郎さん）が座り込んでいた。
男は搬送先で目を覚ますと、刑事に向かって自分は四宮勇気だと名乗り、勇気を指さしながら「この人が自分を刺した」と供述。とっさにその場を逃げ出したユウキは、一瞬にして逃亡犯となってしまう。
そんな時、目の前にゾーカ（吉川愛さん）という謎の女が現われ、父親を殺したある人物への復讐を手伝ってほしいと頼む彼女と行動をともにする。
ゾーカは住人が不在の家を渡り歩いて生活する、通称ヒルだった。２人はやがて“ヒル狩りのカラ”の異名を持つ伝説のヒル、カラ（坂口健太郎さん）と出会う。カラもまた、復讐のためだけに日々を抜け殻のように生きるヒルだった。
番組概要
原作は今井大輔氏『ヒル』『ヒル・ツー』（新潮社パンチコミックス）です。WEB・アプリで人気となった作品です。Season1は『ヒル・ツー』のストーリーをもとに展開されています。
主演は赤楚衛二さん(Season1)と、坂口健太郎さん(Season2）です。今、最も勢いのある男優二人が、これまでの作品とは全く異なったアウトサイダーの役柄で、その演技が注目されます。
出演者：ゾーカ役・吉川愛、ハコ役・飯豊まりえ、ヨビ役・栁俊太郎、テトリス役・板垣瑞生、ロボ役・佐久間由衣、ヤシマ役・板尾創路、鈴木刑事役・小西真奈美
脚本：青島 武（映画『グラスホッパー』『東京難民』）、掛須夏美（NTV「今日は会社休みます。」脚本協力）
音楽：横関公太
監督：鈴木浩介（「連続ドラマW 沈まぬ太陽」「シグナル 長期未解決事件捜査班」
作品公式ホームページ
https://www.wowow.co.jp/drama/original/hiru/
「ヒル」の怖さ
不在の家を見つけて住人になりすます不法滞在者「ヒル」。こんなことがあるのかと思いますが、あってもおかしくない、いやむしろ自分の家も危ないのではと恐怖を感じます。
吉川愛さんもWOWOWのインタビューの中で「自分の家は大丈夫だろう、でも本当にいたらどうしよう」と恐怖感を語っていました。坂口さんは「題材が面白い。どこにおきていても不思議でない」と現代の抱える問題として捉えていました。
人や動物の血を吸って生きるヒル。自然の中でとても嫌なヤツですが、人の家に住み込み食料や服などを勝手に使い込む不法滞在者は、まさにヒル。住所を持てない人、生きていくために裏の世界で過ごさなくてはならない人、都会の中でヒルは確かに生きているのではと考えると怖くなります。
このドラマはこうした非日常的な世界を、ふだんのドラマでは決して見られない人気俳優たちが演じていますので、とても引き込まれていきます。
1～3話の物語の展開と今後の見どころ
Season1の主役であるユウキ（赤楚衛二）は自分の名前と家を奪われ、自分の名前を語る男を刺した事件の犯人として警察に追われ、ゾーカ（吉川愛）というヒルに助けられる。
警察から逃れるためにゾーカからヒルの不法滞在のやり方を学ぶ。そのヒルの手口を描くシーンが面白く、いかにもあり得そうな説得力がある。
ユウキは父親が殺人犯であるため、なるべくひっそりと目立たないように生きてきた。しかし、復讐のために生きるゾーカと知り合い復讐の手伝いをしていく中で、生き方が変化していく。
普通の日常を送っていた青年があっという間にヒルの生活に落ち込み、そして人の復讐を手伝っていく。あり得ない話と思いますが、現実の世界にはあり得そうとも思ってしまいます。
今後のユウキはどうなっていくのか、毎回目が離せそうにありません。
Season2展開について
Season1は、普通の青年ユウキがヒルになって復讐の手伝いをする展開になっていますが、Season2の主役カラ（坂口さん）はヒル狩りのカラの異名を持つ伝説のヒルということです。過去に母親的存在のミシンを仮面の男に殺され、その行方を追い続けながら復讐をしていくというストーリーですが、好青年を演じることの多い坂口さんが、いかにアウトサイダーな役を演じるのか？そしてその行いに正義はあるのか、悪役のヒルとのアクションシーンはどうなのか、Season1から2へとどのようにつながっていくのか、とても興味深く楽しみです。
Season1の一挙放送は、4/10（日）８時半から11時半放送。
WOWOWオンデマンドでは第1話から見られます。
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