「前科者」の映画とドラマの違いは?今注目の有村架純主演映画「前科者」は見ておくべきか?

有村架純さん主演のWOWOWドラマ「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」の評価が高かったようです。私も1話から全話見ましたが、新米保護司を演じた有村さんの体当たりの演技に心を打たれました。

新米保護司・阿川佳代という地味な役でしたが、”前科者と呼ばれ様々な事情を抱える保護観察者対象者に全身全霊でぶつかり、一生懸命に更生をさせていこうとする姿は感動的でした。

もともと予定されていたのでしょうが、そのドラマが映画化されるということで、大いなる興味がわきます。ドラマの中では新米保護司だった阿川佳代が、映画ではどのように描かれるのか、ドラマ版と映画版がどう違ってくるのか、映画版の魅力について予想してみました。

WOWOWドラマ 「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」 はどうだったか?

結論から言えば、とても面白いドラマでした。面白いと単純に言えるようなドラマではなく、現在の社会の中で、人がどのように生きていくのか?”前科者”と呼ばれる人たちをどのように応援していけば良いのか?とても考えさせられるドラマでしたが、さらに、それをきちんとエンタテイメントドラマにしていたと思います。

■ドラマのストーリーは?
主役の阿川佳代(有村架純)はコンビニのアルバイトで生計をたてながら、無給の国家公務員である保護司となる。その仕事は、ドラマ刑務所から仮出所してきた”前科者”を更生させ、社会に復帰させる仕事。とても若い女の子ができる仕事とは思えないが、彼女もこれまでに抱えていた事情があって、この仕事に全力で取り組むことになった。複雑な問題を抱える”前科者”は社会の中で簡単に更生できるものではなく、いろいろな問題を引き起こしていく・・

■出演者
阿川佳代 (有村架純さん)
コンビニのアルバイトで生計を立てている新米保護司。生真面目、頑固で、使命感が強い。毎回、保護観察対象者を家に呼んで、手製の牛丼を食べさせる優しさがあるが、真面目さゆえに失敗することも多い。
斉藤みどり (石橋静河さん)1・2話
恐喝・傷害罪で服役、仮釈放となって、佳代の初めての保護観察対象者となる。
石川二朗 (大東駿介さん)3・4話
殺人罪で懲役六年、佳代の二人目の対象者となる。
田村多実子 (古川琴音さん)5・6話
覚せい剤取締法違反で執行猶予の判決により、佳代の三人目の対象者となる。
松山友樹 (宇野祥平さん)
佳代がアルバイトするコンビニの店長。保護司の仕事を優先する佳代に文句を言いながら、温かく見守ってくれている。
高松直治 (北村有起哉さん)
佳代を監督・指導する東京保護観察所の保護観察官(更生保護に関する専門的な知識を持つ国家公務員)。厳しく、優しく佳代を指導する。

■スタッフ
原作:香川まさひと・月島冬二「前科者」(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載)
   単行本全八巻刊行
監督・編集:岸善幸(「二重生活」「あゝ、荒野」) 岡下慶仁

■ドラマ版の見どころ
有村架純さんの演技が凄い。「花束みたいな恋をした」のようなラブストーリーのヒロインのイメージが強いが、このドラマではそうした可愛いい女優らしさを感じさせずに、化粧っ気がなく”前科者”の人たちとぶつかり合う。

第1話では、事件を起こした保護観察対象者のもとに自転車で猛烈に走って倒れるシーンからスタートしたが、鼻血を出しながらもまだ走るなど、通常の有村さんドラマではありえない設定でした。
しかし、鼻血を出しながらも手を振りまわして走る姿が、真剣なのでかえっておかしく感じさせる、そうした真面目さとボケた感じを見事に演じていました。
この辺りは岸監督の演出のセンスなのでしょうが、とても重く深刻なテーマをさらりとかわして見せて、笑わせたり、泣かせたりしながら、考えさせられます。

また、それぞれの回の保護観察対象者役の出演者も、皆、とても上手でした。 恐喝・傷害罪で服役し仮釈放となって自由気ままに生きようとする石橋静河さん、殺人罪で服役するが態度良好で仮釈放するも、抱えていた秘密のある大東駿介さん、恋人の裏切りによって性風俗で働かされ、自信と希望を失っていたが、佳代と出会い、心を動かされる古川琴音さん。それぞれ、心の葛藤をうまく演じていました。

特に最後のエピソードで登場した古川琴音さんの演技には泣かされました。昨年放送した日本テレビのドラマ「コントが始まる」では有村さんの妹役を軽妙に演じていましたが、今回はまったく真逆の重い役を演じ、芝居のうまさを印象付けられました。

映画「前科者」とドラマとの違いは?どんな映画になるのか?

映画版の「前科者」は2022年1月28日(金)に全国公開されます。
ドラマ版では、阿川佳代(有村さん)は保護司を始めたばかりの新米でしたが、映画版では保護司を始めて3年後になります。
それまで多くの”前科者”の更生の手伝いをしてきたことでしょう。3年間での経験をもとに、阿川がどのように保護観察対象者と向き合っているのか気になりますが、真面目で頑固な性格は変わってないでしょう。
ドラマとの違いは、2時間の枠で保護司・阿川佳代と保護観察者との向き合い方を じっくりと見られるということでしょう。ドラマ版は30分枠でしたので、その差は大きく変わってくると思われます。
また、保護司として3年目を経験した阿川がどれだけの成長を見せるのか?それを有村架純さんがどのように演じるのかが、見どころではないでしょうか?
「コントが始まる」での有村さんは、会社員生活で疲弊したOLが、ファミレスのアルバイトを始めて大好きなコントグループを応援していくことで、変わっていく様を見事に演じていました。
そうした熱い感情をむき出しにするk彼女の演技を、ぜひまた見てみたいところです。

■ストーリー
保護司3年目となる阿川佳代(有村架純さん)が殺人を犯した工藤誠(森田剛さん)を担当することになる。懸命に更生に協力して尽くすものの、最後の面接に現れず、工藤は姿を消してしまい、ある殺人事件の容疑者にもなってしまう。彼を探していく過程で、阿川の隠していた過去や、なぜ保護司になることになったのか、といった真相が明らかになっていく・・

■キャスト
阿川佳代 (有村架純さん)
コンビニのアルバイトで生計を立てている保護司(3年目)。生真面目、頑固で、使命感が強い。時として周りを驚かせる行動に出る。
工藤誠(森田剛さん)
自動車修理工場で働いている阿川の 保護観察対象者。職場の先輩からの激しい暴力といじめに耐えきらず、その先輩を刺殺してしまう。
滝本真司(磯村勇人さん)
阿川の高校時代の同級生で、警視庁の刑事。
(若葉竜也さん)
工藤誠の前に現れた謎の男、実。
鈴木充(マキタスポーツさん)
警視庁の刑事。滝本の上司で相棒となるベテラン刑事。
斉藤みどり (石橋静河さん)1・2話
阿川の初めての保護観察対象者。便利屋を営んでいる。自由奔放な行動で阿川を振り回すが、時に、阿川を優しく励ます。
松山友樹 (宇野祥平さん)
阿川がアルバイトするコンビニの店長。保護司の仕事を優先する阿川に文句を言いながら、温かく見守ってくれている。
高松直治 (北村有起哉さん)
阿川を監督・指導する東京保護観察所の保護観察官(更生保護に関する専門的な知識を持つ国家公務員)。厳しく、優しく佳代を指導する。
遠山史雄(リリー・フランキーさん)
工藤誠の義父。幼いころの誠と妻を虐待し、挙句の果て妻を殺害してしまう。
宮口エマ(木村タエさん)
遠山史雄の弁護士

映画「前科者」は、果たして見て損はないか?

まだ映画は見れてないので、その出来栄えは何とも言えませんが、ドラマ版の完成度の高さから推察するに、間違いなく良い作品に出来上がっているのではと期待しています 。
見て損はないどころか、間違いなく皆に見てほしい映画だと思っています。

ドラマ版でいい味を出していた 北村有起哉さんや宇野祥平さんが脇を固め、阿川にとって初めての保護観察対象者・斎藤みどり役を演じた石橋静河さんが、従来とは全く異なる演技を見せる。
そのうえで、演技のうまい森田剛さん、磯村優斗さん、リリーフランキーさんなどがどのように演じていくのか、とても興味は尽きません。

とは言え、やはり一番の見どころは、いろいろと問題を起こす保護観察対象者に対して、厳しく叱り、優しく励ます阿川佳代(有村架純さん)の姿です。
保護司として3年目の成長した姿を見せながら、ドラマ版とはどのような違う姿を見せてくれるのか?または新米時代と変わらぬ心で、”前科者”に対してまっすぐにぶつかっていくのか?

阿川佳代の姿をしっかりと見て「いま届けたい希望と再生の物語」について考えてみたいと思います。


コメント

タイトルとURLをコピーしました